
親に家族信託の話を切り出したいけれど、何から話せばいいのか分からない…。そうお悩みではありませんか?
「自分の老後のために、財産管理の備えをしよう」 そう考えるお子さんは多いですが、いざ親御さんと話すとなると、非常にデリケートな問題に触れることになります。特に、「認知症」という言葉は、その一言が親御さんの心を深く傷つけ、かえって話がこじれてしまう原因になりかねません。
当記事では、家族信託の専門家として、なぜ「認知症」という言葉を避けるべきなのか、そして親御さんに安心して家族信託の必要性を伝えるための「かけるべき言葉」について解説します。
なぜ「認知症」という言葉を使ってはいけないのか
家族信託を検討するきっかけとして、親御さんの認知機能の衰えを心配している方は多いでしょう。しかし、当協会では、ご本人との会話で「認知症」というキーワードを使うことは推奨していません。
その理由は、「認知症」という言葉が、言われる側にとって非常に大きなショックを与えるからです。
人は、体の衰えは受け入れられても、頭(認知機能)の衰えはなかなか認めがたいものです。「あなたは認知症だから」と直接的な言葉で家族信託の必要性を伝えられてしまうと、多くの場合、プライドを傷つけられ、心を閉ざしてしまい、その後の話し合いが困難になるケースが少なくありません。
もちろん、ご本人が「自分は認知症かもしれない」と自覚している場合は問題ありませんが、その状態は稀です。
記事の中では、分かりやすさを優先し、便宜上「認知症」という言葉を使っています。しかし、実際にお客様と対話する場では、この言葉を避けるよう徹底しています。
親に使うべき言葉は「介護の話」
では、親御さんに安心して家族信託の話を切り出すには、どのような言葉を選べば良いのでしょうか。私たち専門家が最も適切だと考えるのは、「介護」というキーワードです。
なぜなら、家族信託が必要になるタイミングは、何かしらの「衰え」を感じる段階だからです。体の衰えは頭の衰えと違い、ご本人も自覚しやすく、身近に感じているはずです。
・頭の衰え(認知症):認めたくないもの
・体の衰え(介護):受け入れざるを得ないもの
「介護」という言葉は、誰にでも起こりうる身近な出来事として認識されているため、ご本人も警戒心なく話を聞いてくれる可能性が高まります。
具体的な会話の切り出し方としては、「もう財産管理が不安じゃない?」ではなく、次のように切り出すことをお勧めします。
「そろそろ介護に関する話をしておきたいのだけど…」
このように、まず「介護」という身近なテーマから入ることで、その後の家族信託の話をスムーズに進めることができるでしょう。
まとめ:大切なご家族のために、言葉を選んでみましょう
家族信託は、親御さんの大切な資産を守り、将来の安心を築くための非常に有効な手段です。しかし、その第一歩である「会話」で失敗してしまうと、せっかくの素晴らしい制度も活用できません。
大切なのは、親御さんの気持ちに寄り添い、「認知症」という言葉を避け、「介護」という言葉に置き換えて話を進めるという、ちょっとした工夫です。
私たち一般社団法人家族信託推進協会では、このデリケートな問題を解決するためのサポートを大切にしています。
親御さんに安心して見ていただけるよう、「認知症」という言葉を使わない説明動画も公開しております。
ご家族の未来を守るために、ぜひ専門家の知恵も活用してください。





