「施設入所中の父でも契約できる?」「物忘れのある母でも大丈夫?」
家族信託を検討される際、ご家族の現在の介護状況や健康状態がネックになると心配される方は非常に多いです。しかし、実はその判断基準には大きな誤解があります。
この記事では、要介護度と判断能力の関係を明確にし、物事を理解する力が残っている間に家族信託を急ぐべき理由を専門家の視点から解説します。
施設入所や要介護度は信託契約のハードルではない
まず、最も重要な前提として、要介護認定と信託契約の可否は直接関連しません。
介護認定は「身体の必要度」であり「理解力」ではない
要介護認定(要支援1〜2、要介護1〜5)は、あくまで身体的な介護の必要度を測るものです。
・例えば、身体的な理由で介助が必要なら介護度は高くなりますが、物事を理解する力が明確に残っているケースは多々あります。
・そのため、「介護施設に入ってしまっているから無理だろう」と諦める必要はありません。
私たちは、要介護度や諸状態を踏まえつつ、財産を託す方と直接話す中で、信託契約の概要を理解し納得できるかを慎重に見極めています。
施設入所中であっても諦めず、早急に対応策を検討することが重要です。
「物忘れ」があっても諦めない!契約可能な境界線
一方で、「判断能力の低下」が進行している場合は、信託契約の締結が難しくなります。
理解力が残っていればまだ間に合う
医師は法的な判断能力を評価する立場ではありませんが、「認知症」などの判断をされ、物事を理解する力が失われてしまうと、公的機関は「判断能力がない」とみなす可能性が高まります。
しかし、物忘れなどの症状があっても、ご本人が以下の3つの要素を理解し納得できれば、家族信託を組成できる場合が多いです。
・信託財産(何を託すのか)
・受託者(誰に託すのか)
・信託目的やメリット(なぜ託すのか、どうなるのか)
信託は財産管理を包括的に託すシンプルな仕組みです。
賃貸アパートを実質的に子が管理しているような「口頭の信託契約」に近い状態を、将来の判断能力喪失に備えて親子間で信託契約書を締結し、子の権限を法的に明確にすることが安心への近道です。
早めに信託契約を実行させる理由
まれに「親の判断能力が低下した時点で発動する信託契約は可能か」と聞かれますが、これはおすすめできません。信託契約の締結と同時に実行することを強くお勧めします。
1.子への指示と権限移譲
親が元気なうちに、受託者である子への指示を出し、その働きを見定めることができます。収益物件がある場合、賃貸経営のノウハウや、なじみのある不動産会社、税理士などへの引継ぎができます。
2.安心した老後
家族信託による財産管理の仕組み作りは、早めに次世代を育て任せることになります。早めに引き継ぐことができれば、親御さんは希望を伝えつつ煩わしい手続きは子に任せ、今まで通りの生活を気楽に楽しむことができます。
判断能力が残っている「今」こそがタイムリミット
「まだ大丈夫」と考えている間に、実は家族信託の契約可能な時間を過ぎようとしている可能性があります。
大切な財産とご家族の安心を守るために、物事を理解する力が残っている「今」という最良のタイミングで、ぜひ一度専門家にご相談ください。
【家族信託推進協会へのお問い合わせ】






