
「介護」と聞くと、まだ先の話だと思っていませんか?特に30代、40代の方は、ピンとこないかもしれません。50代くらいのひとは、もしかしたらすでに考え始めているかもしれません。
家族信託のご相談で最も多い理由が、実は「介護の問題」に関連しています。この介護問題は、誰にでもいつか自分事として降りかかってくる可能性が高い問題です。
今回は、親の介護が始まる前に知っておくべき現状と、なぜ「事前準備」が重要なのかについてお伝えします。
【音声版】
介護問題はもう始まっているかも?親の「予兆」に気づいていますか?
親御さんが60代後半から70歳以上になると、介護が必要になるかもしれない「予兆」が現れ始めることがあります。
例えば、こんなサインはありませんか?
・ATMに行くのが億劫だと言い出す。
・キャッシュカードやスマホのパスワードが分からなくなる。
・趣味への興味を無くす
こういった些細な変化は、介護の初期サインかもしれません。
介護には段階がある。進行と共に増える負担
介護には段階があります。初期サインの後、徐々に人のサポートが必要な段階に進みます。
・次の段階: 食事を作れなくなったり、お風呂に一人で入れなくなったり、何かをする時にサポートが必要になるタイミングです。この段階になると、「要支援認定」を受けている状態と言えます。
・さらに進むと: 排泄の問題が生じ、このタイミングでは「要介護認定」をされ、老人ホームへの入居を検討する必要が出てくることがあります。
介護の段階が進むにつれて、必要な費用も増大していきます。特に介護認定まで進み、自宅での付き添いが難しく老人ホームなどを利用する場合には、圧倒的に費用がかかってくるとされています。
「事前準備」が親子の負担を大きく左右する
介護が必要になったとき、子ども世代は仕事や自身の家族を養う責任もあるため、付きっ切りで介護するのは非常に困難です。大きなお金が必要になるタイミングで、経済的な負担も重くのしかかります。
しかし、「事前準備」をしておくかどうかで、親御さん自身の負担も、子ども側の金銭的な負担も大きく変わってきます。
例えば、「要支援認定」の段階であれば、国の補助金を活用して自宅のリフォーム費用を抑えられるなど、負担を軽くすることができる場合もあります。
事前準備をすることで、負担が軽くなるだけでなく、問題が解決することさえあるのです。
介護の予兆を感じたら「家族信託」も知っておこう
このように、介護はいつか自分事になる問題であり、その進行と共に負担は増大します。だからこそ、早めの「事前準備」が何よりも重要になります。
もし、すでに親御さんの介護の予兆を感じているのであれば、「家族信託」という仕組みについて知っていただくことをお勧めします。
家族信託は、介護の将来像を親と子で共有し、家族の想いを形にする最適な打ち手の一つです。
「家族信託」が介護の備えとしてどのように役立つかについては、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
誰もが直面する可能性のある介護問題。後悔しないためにも、ぜひ早い段階から親子で話し合い、事前準備を進めていきましょう。





