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2025.10.28お役立ち記事
子どもがいないご夫婦の「老後の不安」と「死後の財産」対策

笑顔で会話する親子

この記事は、前回の「[基礎編]「子どもがいないから無理」と諦めないで!家族信託は利用できます」で解説した通り、お子さんがいらっしゃらないご家庭こそ家族信託が有効であるという事実を掘り下げ、老後と財産承継の二大不安に対する具体的な解決策を、動画の事例をベースにご紹介します。

 


目次

1.「老後の不安」の核心:頼る人がいないことによる財産凍結リスク

2.「老後の不安」を解消する家族信託の具体的な仕組み

2-1. 介護費用の確実な捻出と自宅の処分

2-2. 受託者選びの重要性

3.「死後の財産」の不安を解決:感謝の気持ちを財産に残す

4.まとめ:思いを形にするために一歩を踏み出す

 


1. 「老後の不安」の核心:頼る人がいないことによる財産凍結リスク

お子さんがいないご夫婦が抱える「老後の不安」は、単に経済的な問題に留まりません。

その核心は、「自分たちに介護が必要になった時、誰に頼ればいいのか」という心理的な孤独感と、それに伴う財産管理の困難さにあります。

 

ご高齢のご夫婦の場合、どちらか、または両方が認知症などで判断能力を失ってしまったら、預貯金の引き出しや、ご主人の名義になっている自宅の売却など、財産の運用・処分が一切できなくなってしまいます(いわゆる「財産の凍結」)。

この問題は、お子さんがいれば、お子さんを巻き込んだ話し合いで解決に向かうことが期待できますが、頼れる人がいない場合、ご夫婦の不安は増大します。

家族信託は、こうした事態に備え、信頼できる親族を「受託者」として指名し、ご夫婦の資産を託すことで、ご夫婦の願いを反映した柔軟な財産管理を可能にする、大変有効な仕組みです。

 

 


2. 「老後の不安」を解消する家族信託の具体的な仕組み

動画でも言及している通り、家族信託を利用する際は、「誰に資産を預けて、いつ、何に使ってもらうか」という約束を明確に定めます。

 

2-1. 介護費用の確実な捻出と自宅の処分

ご夫婦の預貯金や不動産(自宅など)を信託財産とし、受託者に対して「ご夫婦の介護が必要になった際の費用に充てる」という明確な目的を設定します。

これにより、ご夫婦が判断能力を失った後も、受託者がご夫婦のために滞りなく介護費用を捻出することができます。

さらに、ご自宅が空き家となり、介護施設の費用が必要になった場合、受託者が信託契約の権限に基づき、ご自宅を売却して現金化し、その資金を介護費用に充当することができます。

これは、通常の「代理人」では難しい、不動産の所有権移転を伴う強力な権限です。

 

2-2. 受託者選びの重要性

受託者は、資産を預けて運用してもらう「誰か」であり、親族関係がどういう状態かを聞き取り、信頼できる相手を選ぶことが不可欠です。動画の事例では、奥様側の親族との関係が疎遠だった一方、ご主人側の「お姉さん」や「姪」とは良好な関係であったため、信頼関係のある姪を受託者候補として提案し、話を進めています。

 


3. 「死後の財産」の不安を解決:感謝の気持ちを財産に残す

お子さんがいないご夫婦にとって、「老後の不安」と同じくらい重大なのが、「死後の財産の行き先」という問題です。

 

動画でも触れられているように、ご主人が先に亡くなり、その後奥様が亡くなった場合、財産は原則として奥様のご兄弟や甥・姪など、奥様側の親族に相続されます。

ご主人が財産を築いたにもかかわらず、お世話になったご主人側の甥・姪に財産を渡せないという状況を防ぐ必要があります。

家族信託、特に「遺言代用信託」の仕組みを使うことで、この問題を解決します。

ご夫婦で信託契約を結ぶ際、ご夫婦が二人とも亡くなった後に、最終的に財産を誰に継いでもらうかを「帰属先」として指定することができます。

これにより、ご夫婦の介護や手続きを献身的にサポートしてくれた特定の親族に対し、感謝の気持ちを込めて、法定相続人以上の財産を遺すことが可能になります。

これは、金銭的な報酬というだけでなく、動画でも語っている通り、「感謝の気持ちを渡すこと」につながり、渡す側・渡される側双方にとって、非常にスムーズな話し合いと円満な解決をもたらします。

 


4. まとめ:思いを形にするために一歩を踏み出す

家族信託は、お子さんがいないご夫婦の「誰に頼ればいいのか」という切実な心理的な不安や、「財産が思い通りにならない」という理的な負担を解消する、非常に有効な制度です。

信頼できる親族を見つけ、ご夫婦の老後の願いを、ぜひ法的な仕組みの中で「形に」してください。まずは当協会へご相談いただくことをお勧めします。

 

 


この記事は、当協会の解説動画シリーズ「お子さんがいない家庭の家族信託事例|頼れる人がいなくても安心できる仕組み」を元に、家族信託の仕組みついて、初心者にもわかりやすく解説しています。記事では内容を4つに分けておりますので、すべての内容を確認したい方は下記動画を参照ください。

 

 

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