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2025.10.14お役立ち記事
【家族信託の事例解説】資産凍結を防ぐ方法③

家族信託の手続き方法と成年後見制度との違いを徹底解説

 

前回の記事では、具体的な事例を通じて家族信託が自宅介護と資産管理をどのように両立させたかをご紹介しました。

(前回の記事はこちら : 【家族信託の事例解説】資産凍結を防ぐ方法②家族信託で実現する、安心の自宅介護と資産管理 )

 

今回は、当協会の解説動画シリーズ【家族信託の事例解説】資産凍結を防ぐ方法|成年後見制度との違いも徹底解説」を元に、第3回目として、実際に家族信託を始める際の具体的な手順と、成年後見制度との決定的な違いを解説します。

 

 

記事では内容を4つに分けておりますので、すべての内容を確認したい方は下記動画を参照ください。

 


家族信託の手続きは「家族会議」から始まる

家族信託の手続きは、いきなり専門家への相談や書類作成から始まるわけではありません。

まずは、ご家族が集まって状況を整理する「家族会議」を開くところからスタートします。

 

ご自身の資産管理に問題はないと思っている親御さんでも、ご家族が将来的なリスク(例えば、病気や事故で判断能力が低下した場合の資産凍結リスク)を説明することで、「早めの対策が必要だ」と認識することができます。

この話し合いを経て、具体的な意向が固まったら、専門家のサポートのもとで以下の手続きを進めていきます。

 


家族信託の手続きの具体的な流れ

家族信託の手続きは次のような流れで進めます。

1.信託契約書の作成

「誰が、いつ、どのような状況で、どのように資金を使うか」を細かく定義し、資産を預けることの証明として信託契約書を作成します。

2.管理資産の特定と契約書への記載

預ける資産(預貯金口座や不動産など)を明確にし、受託者が管理する信託口口座などの情報とともに契約書に記載します。

3.公正証書化(法的効力の担保)

公証役場で契約書を公正証書にすることで、法的に強力な効力を持つ書類にします。これにより、将来的な紛争のリスクを防ぎ、銀行などの手続きも円滑になります。

 


知っておきたい!成年後見制度との決定的な違い

家族信託と並んで「万が一の備え」として語られるのが成年後見制度です。

しかし、この二つの制度には、その目的と柔軟性において大きな違いがあります。

 

・開始のタイミング

家族信託本人の意思確認ができる間に事前に準備する必要があります。判断能力があるうちに契約を結ぶことで、将来に備えることができます。

成年後見制度本人の判断能力が低下した後に家庭裁判所に申し立てて開始する制度です。事前の準備が間に合わなかった場合の「最後の手段」という性格を持ちます。

・財産管理の柔軟性

家族信託:契約内容を自由に設定でき、家族の意向を反映しやすいのが特徴です。資産の使い道や条件を細かく指定できるため、本人の希望通りの管理が可能です。

成年後見制度:法定された範囲での管理となり、裁判所の監督下で柔軟性に欠けることが多いです。本人の財産を守ることが主目的のため、使途に制限があります。

・費用の負担

家族信託:初期費用のみ(契約時)で済むため、長期的には経済的負担が少ないことが多いです。

成年後見制度:後見人への毎月の報酬負担が発生するため、長期間にわたると費用が嵩みます。

・選択権

家族信託:家族(受託者)を自由に選べるため、信頼できる人に任せることができます。

成年後見制度家庭裁判所が後見人を選任するため、必ずしも希望通りの人が選ばれるとは限りません。

 

 

成年後見制度は、判断能力が低下した方を法的に保護する制度ですが、手続きが煩雑で、後見人への毎月の費用負担(報酬)が発生します。

そのため、実際に利用する人は少ない(約1割程度)のが現状です。

 

一方、家族信託は、本人の意思が反映された「オーダーメイド」の財産管理を、ご家族の協力のもとで実現できるという点で、圧倒的に優れています。

 


まとめ:行動を起こす「タイミング」が未来の安心を決める

家族信託と成年後見制度の最大の違いは、準備を始めるタイミングです。

家族信託は、ご本人の意思確認ができる間に手続きを行う必要があります。意思確認が取れなくなってしまうと、この柔軟な家族信託の契約ができなくなり、煩雑な成年後見制度しか選択肢が残されません。

家族信託は、全ての資産を預ける必要はありません。普段の生活費は自分で管理しながら、将来必要になるかもしれない資金だけを家族信託の仕組みで預けておくという選択肢もあります。

 

長期的な視点でご家族の安心を確保するために、以下のようなタイミングで検討を始めてみてはいかがでしょうか。

・物忘れが多くなってきたと感じたとき

・将来の介護や医療費に不安を感じ始めたとき

・資産管理について家族で話し合いたいと思ったとき

 


 

次回の記事では、この「タイミング」の重要性をさらに深く掘り下げます。

意思確認が取れなくなることの具体的なリスクや、ご家族の安心のために早めに専門家へ相談することのメリットについて、詳しくお伝えします。

ぜひ、次回の記事もご覧ください。

 


 

もっと詳しく知りたい方、もしくは家族信託を検討されている方は、ぜひ一度家族信託推進協会にご連絡ください。

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